MSのYahoo買収は断念。両者の立場を考える
- 2008/05/04(日) 21:51:04
マイクロソフトのYahoo買収が失敗に終わったことが各紙によって大きく報じられています。
ITproの4月のニュースによると米国でのグーグルの検索エンジンとしてのシェアは59.8%にまで至ったと報じられていました。
収穫逓増の法則の働きやすいIT業界では、持てる者となったGoogleがさらにシェアの増大を図る可能性は大きく、そのための対抗策としては合併によって対抗策をとろうとするのは自明の理のように思えます。しかし、それが成されなかったのは何故でしょうか。
今回は、両者の立場について考えてみようと思います。
・マイクロソフト
マイクロソフトといえば言わずとしてた大手IT企業です。Wikipediaによると売上高 が5兆617億6400万円(2006年)、総資産が8兆926億7400万円(2006年)、従業員数 が79,000人 (2007年現在)というわけですから、さすがにトヨタとまではいかずとも、世界的に大きな影響力を持っている企業と言ってさしつかえありません。
そんな大手マイクロソフトですが、懸念材料があります。それはインターネット関連の弱さです。確かに、Windows95によって一般のPCユーザーもインターネットに繋ぐようになり、第一次ブラウザ戦争にInternet Exploreが勝利したことでブラウザのシェアも握ったことによりマイクロソフトのインターネットでの立場は揺るぎないものとなるはずだったのですが、誤算が生じてしまいました。それは、インターネットにおいての玄関口となる検索エンジンのシェアでの敗退です。
Windows Live Searchとともに未だ残っているMSNが開設されたのがWindows95の発売と同じ95年で、検索エンジンが出始めたのもちょうどその頃です。
しかし、現在の検索エンジンのシェアでは、マイクロソフトが10%以下と非常に弱く、しかもGoogleドキュメントといったグーグルの新サービスがマイクロソフトの大きな収益源であるオフィスのシェアを脅かす可能性が出てきています。
ここでマイクロソフトがヤフーを買収したとしても、シェアは30%程度にしかなりませんが、それでも10%の苦境からは脱却できます。しかし、この度その買収も失敗に終わったことになります。
この先、マイクロソフトはどのような戦略をとっていくのでしょうか?企業の栄華は30年と言われており、マイクロソフトは創立より30年を超えています。しかし、今回の買収失敗をみるに、マイクロソフトの『死因』の一つが見えてきてしまったように思えてなりません。
・ヤフー
ヤフーについて述べるべきは近況についてでしょう。
ヤフーは今年度の2月までにおいて大幅に株価を落としていました。それが、以下のチャートにも現れています。

参照:YHOO: Basic Chart for YAHOO INC - Yahoo! Finance
ただし、これが2月時点で大幅に跳ね上がっているのもごらんの通りです。この2月時点がマイクロソフトに買収を打診された日取りとなります。
買収打診額は一株当り31ドルでしたが、マイクロソフトは33ドル買収額を引き上げることを明らかにしています。
しかし、今回の買収はお流れとなったことで、今後ヤフーの株価が再び20ドル以下まで下がることさえ考えられます。それは、ヤフーの今後の資金調達に難が生じるだけでなく、株主から損害買収請求される可能性も示しています。
現状、マイクロソフトからの買収から逃れる上で述べてきたヤフーの弁解は「現状行っている投資により、将来の収益を上げる目処は立っている」ということが主たるものです。もし、損害賠償請求などされて、研究費用が削られるようになったとしたら、実現性の有無にかかわらずその策は潰えることになりそうです。
と、以上の通り随分悲観的な内容を述べましたが、マイクロソフトにしてもヤフーにしても、私の脳みそを十と並べても及び使い無い優秀な方々が万とそろっています。よって、私なんぞはこの先各々がどのような策を練っていくかを傍観させて頂こうと思います。
<参考>
マイクロソフト、ヤフー買収を断念:ニュース - CNET Japan
2008年3月の米検索エンジン,首位「Google」がシェア59.8%でリードを拡大:ITpro
ブラウザ戦争 - Wikipedia
マイクロソフト - Wikipedia
1995年の検索エンジンの歴史【DOEサーチ】
「会社の寿命30年」説を検証 - 日経NEEDSで読み解く



